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【コラム第33号】「心臓が止まる恐怖」はパニック障害です


 

バスや電車に乗れず、お出かけができなくなってしまうのが「パニック障害」です。

 

苦しくて「心臓が止まる恐怖」があるのです。

 

電車に乗っても、特急などには乗れません。

 

電車の中で苦しくなった時に、直ぐに降りれる各駅停車でなければ駄目なのです。

 

エレベーターも駄目です。狭いからです。

 

とにかく、どんな時にパニックが起きるのか分からないので、乗り物は駄目なのです。

 

また、パニックを起こした場所に行くのが怖いのです。

 

だから、自由に行ける場所が、とても少なくなってしまいます。

 

どういうことかというと、「あそこへ行ったら、また、パニック発作を起こすかも知れない」と不安になるからです。

 

要するに、起きる前からパニックを起こすと予測して、不安になるのです。

 

これが予期不安です。

 

当事者は、これに悩まされて、怖くて仕方がない生活を送っています。

 

そのために、人が集まるような場所へ行こうとしなくなります。

 

 

さて、パニック障害の困難は、他者になかなか理解してもらえないところにあります。

 

他者は「心の持ち方」の問題として捉えて、「考え過ぎではないか」とかの反応をします。

 

理解してもらえないところで、他者に助けを求めなくなり、更に苦しむ状況になってきます。

 

電車の中で苦しくなっても、他者に助けを求めることができず、降りることばかり考えているのです。

 

だから、特急ではなく各駅停車に乗車となるのです。

 

 

パニック障害は、真面目で責任感の強い人が罹りやすいのです。

 

原因は、強いストレスを受け続けたところにあると考えられます。

 

治療は、向精神薬が有効のようです。

 

ただし、薬物だけに頼ると、今度は「薬物を飲まなければ不安になる」ようなことが起きてきます。

 

ですから、薬物を使いながら、パニックを起こさない生活を続けることが重要です。

 

また、ストレスが原因ですから、根本的に生活スタイルや考え方を変えていくことが必要になるでしょう。

 

元の生活の状態に戻すのでなく、自分に合った生活スタイルを作っていくような考え方が大事ですね。

 

私も、過去にパニック障害で苦しんだ患者経験者です。

 

でも、生活や考え方を変えることで、ほとんど消えています。

 

「パニック障害は治る」という考え方で、前へ進んで行ってくださいね。