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【コラム第19号】起立性障害(症候群)~気が付いていない不登校の原因


不登校になっているのは、何が原因なのか。

 

それがよく分からないことが多いと思われます。

 

親は、学校でいじめがあるのでないかと、心配をしたりします。

 

また、学校の先生と関係がうまくいっていないことも考えられます。

 

 

当事者に理由を聞いてみても、はっきりしたことが分からなかったりして、親は困ってしまいます。

 

 

 

以前は、先生が家にやってきて、無理やりに学校へ連れていくようなことが行われていました。

 

でも現在は、そのような無理なことをするのを止めているようです。

 

当事者が朝起きても、身体がしんどくて学校へ行けない状態が多いようです。

 

それで医者に連れていくと、何の異常もないような結果が出たりします。

 

そうなると、原因は心の問題と考えてしまうことになります。

 

しかし、当事者は、本当にしんどいのです。

 

 

 

さて、当事者に何が起きているのかということです。

 

 

朝起きた時に、低血糖を起こしていたり、低血圧になっていたり、その他にも目を覚まさせるのに必要な少量のコルチゾールというホルモンなどが、出てなかったりするような状態であったりするわけです。

 

それでしんどくて、元気に学校へ行くことができないわけです。

 

 

このような症状を起立性障害(症候群)と言います。

 

 

これを、親はあまり気付いていないことが多いのです。

 

その理由は、朝に目覚めた時がしんどくても、だいたい11時頃になるとしんどい状態が消えて元気になってくるのです。

 

また、しんどい時に医者へ行くことができないので、少し症状が治まってから病院へ行きますね。

 

その症状が治まっている状態で精密検査をしても、何の異常も無しという結果が出るわけです。

 

だけど、当事者はしんどい状態が続いていきます。

 

起立性障害の原因は、はっきり分かっていません。

 

 

私は、子どものストレスが大きく関わっているように考えています。

 

特に「コルチゾール」です。

 

これは、強いストレス状態が継続すると起きてきます。

 

コルチゾールは、覚醒物質で本人を強く興奮させます。興奮することで、自分の身を守るようになっているのです。

 

 

しかし、日常的にコルチゾールを出していると、夜に目が冴えて眠れなくなったり、昼間に興奮し過ぎて朝にコルチゾールが不足して、元気が出なくなったりするわけです。

 

 

低血糖の原因も、コルチゾールがインシュリンの働きを悪くしますので、ストレス過剰の可能性があります。

 

 

そのようなことで、子どもがしんどくて学校へ行けないような時は、本当に身体的な異常が起きていることがあるので、注意してやってください。