不登校になっているのは、何が原因なのか。
それがよく分からないことが多いと思われます。
親は、学校でいじめがあるのでないかと、心配をしたりします。
また、学校の先生と関係がうまくいっていないことも考えられます。
当事者に理由を聞いてみても、はっきりしたことが分からなかったりして、親は困ってしまいます。
以前は、先生が家にやってきて、無理やりに学校へ連れていくようなことが行われていました。
でも現在は、そのような無理なことをするのを止めているようです。
当事者が朝起きても、身体がしんどくて学校へ行けない状態が多いようです。
それで医者に連れていくと、何の異常もないような結果が出たりします。
そうなると、原因は心の問題と考えてしまうことになります。
しかし、当事者は、本当にしんどいのです。
さて、当事者に何が起きているのかということです。
朝起きた時に、低血糖を起こしていたり、低血圧になっていたり、その他にも目を覚まさせるのに必要な少量のコルチゾールというホルモンなどが、出てなかったりするような状態であったりするわけです。
それでしんどくて、元気に学校へ行くことができないわけです。
このような症状を起立性障害(症候群)と言います。
これを、親はあまり気付いていないことが多いのです。
その理由は、朝に目覚めた時がしんどくても、だいたい11時頃になるとしんどい状態が消えて元気になってくるのです。
また、しんどい時に医者へ行くことができないので、少し症状が治まってから病院へ行きますね。
その症状が治まっている状態で精密検査をしても、何の異常も無しという結果が出るわけです。
だけど、当事者はしんどい状態が続いていきます。
起立性障害の原因は、はっきり分かっていません。
私は、子どものストレスが大きく関わっているように考えています。
特に「コルチゾール」です。
これは、強いストレス状態が継続すると起きてきます。
コルチゾールは、覚醒物質で本人を強く興奮させます。興奮することで、自分の身を守るようになっているのです。
しかし、日常的にコルチゾールを出していると、夜に目が冴えて眠れなくなったり、昼間に興奮し過ぎて朝にコルチゾールが不足して、元気が出なくなったりするわけです。
低血糖の原因も、コルチゾールがインシュリンの働きを悪くしますので、ストレス過剰の可能性があります。
そのようなことで、子どもがしんどくて学校へ行けないような時は、本当に身体的な異常が起きていることがあるので、注意してやってください。