つい最近まで、味覚は舌の各部分に分かれていると言われていました。
舌の先の部分で甘さを感じ、舌の奥の部分で苦さを感じると言われていました。
しかし、それは間違いであり、味覚の様々な感覚細胞は、舌の全体に分布していることが分かってきたのです。
つまり、舌のどの部分でも、甘い・辛い・苦い・酸っぱいなどを感じる感覚細胞があるのです。
これまでの舌の味覚の考え方は、都市伝説のようなレベルのものだったのですね。
さて、ごはんが大好きという子どもがたくさんいます。
特に、発達障害と言われるような子どもに、その傾向があります。
「白ごはん」が大好きで、「塩おにぎり」や「ふりかけごはん」も大好きです。
その半面で、たくさんの偏食があります。
一つ考えられる原因は、舌の感覚過敏です。
甘い辛いを強烈に感じてしまったり、味を全く感じられなかったりしていることも考えられます。
発達障害と言われるような子どもは、ストレスを受けて脳の偏桃体が腫れて、感覚異常となっているのかも知れません。
また、食事というのは、自分への取入れ作業であり、生命に関わるような重要な活動であり、子どもは本能的に慎重になるのです。
偏食の傾向として、口の中で簡単には溶けないもの、豆や高野豆腐などを嫌うようです。
その偏食の原因として、舌をうまく使っていないところがあると考えられます。
幼い子どもに、「もぐもぐ、ごっくん」などと言ってますが、あれは嘘であり、食べ物を飲み物のようにごっくんなどができません。
食事では、舌を上手に使って口中の食べ物を奥歯に送って、奥歯で噛むと自動的に喉から食道へ送られるのです。
この動きは、まるでベルトコンベアーのようになっていて、舌で食べ物を奥歯に送ると、自動的に咀嚼されて嚥下が起きるようにプログラムされているのです。
さて、そのようなところで、発達障害と言われるような子どもは舌をうまく動かさず、食べ物が口の真ん中で、止まったままになっていると考えられます。
奥歯に食べ物を送らないので、前歯だけで食べているようになります。
この結果、ピーナツやスルメみたいな物は食べられず、嫌うということになります。
ごはんについては、初めから柔らかくてバラけていますので、奥歯を使う必要がなくて、そこで好むのでしょうね。
では、この状態をどうしたらよいのか、という件です。
たいていは大人になれば、変わってきますので、大きな心配をする必要がないでしょう。
むしろ偏食の理由を理解して、食事中にガミガミと叱るようなことを避けて、機嫌よく過ごせるように配慮してやってください。
ごはん、ラーメン、うどん、ハンバーグ、ポテトなどが大好きですね。
好きな食べ物があるということは、とてもよいことです。
そこを大事にしてやってくださいな。
上手に、いろいろなものが食べられるように、うまく工夫してやってくださいね。