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【コラム第3号】『コルチゾール』とは


コルチゾールとは、強いストレスがあった時に副腎から排出されるホルモンです。

 

殺人ホルモンとも言われています。

 

ホルモンとは、血液に混ざって全身に送られる物質のことを言います。

  

もともとは、原始時代に人間が森などで猛獣などに出会って緊急事態になり、戦わなければならなくなった時に、血圧を上げて筋力を高めて生き延びるために役立つ本能的な機能でした。

 

しかし、現代は猛獣と戦うことがありませんが、本能としての機能自体が残っています。

  

会社の嫌な上司や学校の嫌いな担任などを、現代では本能的に敵対する猛獣とみなして、無意識的なところでコルチゾールが出ます。

 

現代では、それも毎日のようにコルチゾールが出るストレス状態になるので、体中が痛んできます。

 

特に、脳の偏桃体というところが異常に興奮して腫れてきます。

 

そのことで感覚過敏が起きて、あらゆるものに不快な反応が起きるのです。

 

また、脳の海馬という部分も蝕まれて、簡単な記憶もできなくなり、容易な作業も難しくなってきます。

 

このような状態が長く続くと、精神疾患となるわけです。

 

また、ストレスホルモンのコルチゾールによって脳下垂体なども機能が異常になり、免疫力が低下して病気に罹りやすくなったり、全身の倦怠感などになったりのつらい症状が出ます。

  

発達症は、社会性の能力の弱さや対人関係の苦手さがあるために、コルチゾールに侵されやすいストレス状況におかれています。

 

それにより、発達症は発達障害となり、やがて精神障害となっていく可能性が高くなります。

  

精神障害の方の多くが、本当は発達症が原因でないかというのが私の考えです。

  

障害の本質が精神疾患ならば、薬物治療しか方法がありません。

 

しかし、発達症の二次障害としての発達障害や精神疾患ならば、発達症に対する社会心理的支援により、苦しみを軽減していける可能性があると考えています。