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【コラム第2号】『発達障害』から『発達症』に名称変更を


発達障害の言葉に、「障害」という名称がつくところで、長年にわたり嫌な感じでいました。

 

そこで、今後は発達障害を「発達症」という名称にすることにしました。

   

名前に障害という言葉がつくために、自分は障害者なのだと悲観的に思い込む弊害もありました。

 

「発達症」の呼び名では、この問題がなくなります。

 

では、「発達障害」と「発達症」とどこが違うのかということですが、社会生活の困難で医師に診断されると「発達障害」であり、同じような特性がありながらも、ある程度の環境適応をしている人を「発達症」と呼びます。

 

ですから、このような特性のある全ての人が「発達症」ということです。

  

「発達症」は、誰にでもあるような特性なのです。

 

だけど、取り巻く環境が悪かったり、差別的な扱いをされたりすると、二次障害が起きて困った状態になります。

  

旧名の発達障害の方でも、社会適応して普通の生活を送っている方がたくさんいます。

 

また、自分の特性や能力を活かせて、ノーベル賞を受ける方までいるのですから、障害というような言葉が付くような呼び名は不正確だと考えています。

  

そのようなことで、今後はより大きな広い概念として「発達症」の名称にします。

  

発達症は、盛んな成長発達の乳幼児期に、何らかの理由によって偏った成長発達をした人ということになります。

 

でも、学習や経験によって、問題が修正されたり、脳機能の成長発達により、状態が改善されたりする方がいるのです。

  

発達症の本当の問題は、二次障害にあります。

 

感覚過敏や体調不良により不快な生活が続き、不登校になって引きこもりなどの症状になるところです。

  

解決策は簡単に言うと、情緒の安定した生活を送ることです。

 

また、自尊感情を高めて自己肯定感を持つことです。

 

これには本人の努力だけでなく、家族や教師などのまわりの者の理解と支援が必要なのです。