日本では、献身的な姿勢や行動が、美談として取り上げられます。
その半面、献身には大きな問題があります。
また、その問題に気づき難いところもあります。
それが共依存関係です。
断っておきますが、共依存関係では誰かが悪いということでありません。
発達障害や精神障害の当事者を抱える親や家族は、一生懸命にがんばるわけです。
当事者に大きな問題があるので、その解決のために献身的に支えようとしているのです。
そこは大いに理解しなければなりません。
さて、共依存とは過剰な献身的行動であり、その過剰さ故に真の問題解決に至らないところが困るわけです。
その共依存の本質は、「上から目線」と「支配」に原因があると考えています。
当事者のためと言いながら、本当は親の自己満足のための行動であったりするわけです。
共依存は、抱えている問題が解決せずに継続していくところに特徴があり、「困った状態」が定着するわけです。
「毒親」という言葉がありますが、共依存の親を指しているように考えています。
よいことをしているように見えますが、実は当事者を苦しめているのですね。
親による自己犠牲の献身的行動が、実際は当事者の自立を妨げていることに気付かなければなりません。
この共依存に解決策はあります。
当事者の問題は、当事者自身に解決させることです。
親は過剰な手助けをしないことです。
それが、本当に親が望んでいる当事者の自立です。
これをするには、親に寂しさや悲しみなどの苦痛が伴います。
当事者に親の自分の支えがあって、やって来れたと思っていたいのですね。
そうなのに、当事者が自立すると親の自分の存在の意味がなくなってしまいます。
親の心は、空虚な状態になってしまうのです。
それで、共依存関係はなかなか解消できないのです。
でも、親は勇気を出して、当事者自身による自立に向かって支援をして欲しいと思います。
美味しい栄養のある料理を食べさせたり、洗濯して清潔な服を着せたり、当事者が健康的な生活が送れるように、そのところの支援で、親はがんばって欲しいと思います。