精神疾患で引きこもり状態になっているような人の中には、過剰服薬の方がいます。
一日に60錠もの向精神薬を飲んでる方もいるのです。
向精神薬は、飲んでるうちにだんだん効かなくなってくるので、量が増えるのです。
また、まったく効かなくなることもあって、違う種類の向精神薬の服用をしなければならなくなり、種類も量も増えてくることになるのです。
また、引きこもり状態であると、外に出ないので気分転換ができず、そこでイライラが強くなることも考えられます。
そこで、どのようにしたら服薬量を減らせるのかということですが、これは医師に相談してもらわなければいけません。
自分勝手に薬を止めたり、減らしたりすると、乖離症状が起きて苦しんだり暴れたりという、とんでもない状態になるので厳禁です。
しかし、親が家庭でも可能な支援方法もあります。
当事者に、落ち着いた生活を送らせることです。
例えば、「余計なことを言わない」とか、「美味しいものを食べさせる」とか、当事者が気持ちよく生活できるようにすることです。
なぜ薬物を減らすのに、落ち着いた生活がどうして大事なのかということですが、毎日、神経が張るようなカリカリとした生活をしていると、直ぐに神経の線が切れて激怒するようなことが起きます。
そのような状態が日常的になっていると、些細なことでも直ぐに怒り出すような反応の仕方がパターン化するのです。
そのような理由で、当事者にはカリカリしない、落ち着いた日常生活が大事になるわけです。
そのカギを握るのが、親になるのです。
ですから、親はなるべく、不要な言動や行動を避けることが望ましいです。
「そんなことをしたら子どもが駄目になってしまうのではないか」という方もおられますが、躾のようなものは子どもが落ち着いた状態で、親の話が聞けるようになってからすればよいことです。
混乱している状態では、何を言っても伝わることも少なく、それよりも子どもが怒り出すだけです。
ですから、躾の問題は当事者が落ち着いた状態になったら、そこで教えてやってください。
日常的に落ち着きが戻ってくると、多量の薬の服用の必要性が無くなってきます。
当事者も、いろいろなことが考えられるようになってくるのです。
そのところで、減薬が可能になってくると思われます。
ただし、担当の医師に相談しながら、ゆっくりと安全に減薬していってくださいね。