コルチゾールは、ストレスにより副腎から出るホルモンです。
別名は、ストレスホルモンや殺人ホルモンと言われます。
死に至ることもある悪玉ホルモンなのです。
発達症は、対人関係がうまくいかなかったり、環境適応ができなかったりすることが多い傾向にあります。
コルチゾールは発達症でなくても、過度なストレス状態になると誰でも出るのです。
ただ、発達症はその特性のために、ストレス状態になりやすく、コルチゾールに侵されやすいと言えます。
コルチゾールは、覚醒ホルモンです。
目が覚めるのです。
ですから、活動するため朝に多く出ているのですが、夜に寝ている時はほとんど出ていないということになります。
そのために、過度にストレス状態になると、コルチゾールがいっぱい出て、不眠症になります。
コルチゾールは太古の原始時代、猛獣から襲われた時に、戦ったり逃げたりするのに役立っていました。
コルチゾールには覚醒作用があって、興奮するわけです。
具体的には、血管が収縮し血圧が上がります。
また、コルチゾールは、インシュリンの働きを抑制して高血糖にして、筋肉の活動を盛んにするわけです。
そんなわけで、人類は猛獣に出会っても、猛烈な馬鹿力が出たり、とんでもなく速足で逃げ出すことができたのです。
ただし、これは古代の話です。
現代には猛獣と出会うことがありません。
でも、その代わりに、嫌な上司とか嫌いな教師とかと毎日顔を合わせています。
この現代の危機状態でも、コルチゾールが出るのです。
上司や教師が猛獣の代わりになります。
そんな相手に馬鹿力や速足を使うことがありません。
それで、ストレス状態になると、眠れなくなったり、高血圧、肥満などの成人病症状が出るのです。
原因は、ストレスです。
問題は、子どもにもコルチゾールが出ていることです。
不登校とかなり関係があると思われます。
コルチゾールは、大脳辺縁系(大脳の中側にあり生存本能を司っているところ)の偏桃体(快・不快を感じるところ)を肥大化し、感覚過敏にします。
また、海馬(短期記憶をするところ)を痩せさせ記憶能力や作業能力を落とします。
子どもは強度の情緒不安定状態になってしまうわけです。
これらコルチゾールの問題の解決法は、周りの者がストレスがかからないように温かく優しく接して、落ち着いた生活を送るようにすることです。
そうすることで、自然治癒によって健康を回復させることができます。