聞いた話というのは音ですから、耳から入った途端に、すぐに消えてしまいます。
ですから、話を自分の頭の中に残して覚えておかなければなりません。
残念なことに、そんなにたくさんの聴覚情報を覚えておくのは無理です。
文章や図などの見える情報は、何度でも見直したり読み返したりできます。
ですから、最初は理解できなかったことでも、見直したり読み直したりすることで分かるようになったりします。
そのようなところで、見ることで知る視覚情報は、分かりやすいところで発達障害の支援に役立ちます。
聴覚の情報と違って、書いてあるものは消えないからです。
また、細かい情報だけでなく全体も同時に提示しますので、頭の中での情報整理が少なくて、分かりやすくなります。
「百聞は一見に如かず」というのは、この辺から言われるのでしょう。
しかし、視覚情報には欠点もあります。
それは、文字で伝えることができる情報量が少ないところです。
人間の会話で伝える情報のおよそ80パーセントは、身振りや動作、顔の表情などで、言葉以外のもので多くを伝えています。
ですから、文章から得られる視覚情報では、20パーセントぐらいしか伝わらないのです。
ネットでのトラブルが多いのは、文字だけでやり取りするところで、情報の誤解が起きているのが原因だと思われます。
ですから大事な要件などは、相手と会って顔を見ながら話さなければなりませんね。
さて、このブログは発達障害や精神障害についての情報を書いています。
でも、このブログだけで、みなさんに大事なことを伝えるのは難しいと考えています。
どういう目的・理由で、このブログを書いているのかと言うと、不特定多数の方に読んでもらって、発達障害や精神障害について考えてもらいたいのです。
特に、引きこもっている当事者に、発達障害や精神障害について知って欲しいという願いがあります。
そして、興味を持っていただいて、自助グループなどにつながるきっかけになって欲しいと願っているのです。
また、親などが学習会で分からないところを資料として読んで、理解の参考にしていただけたら嬉しいです。
伝える側にとって、話すことも文章で書くことも難しいところがありますが、今後もがんばって挑戦していきたいと思います。