テレビのバラエテイ番組を見ていると、やたらお笑い芸人がはしゃいで大騒ぎをしています。
めでたいお正月ですから、暗い顔をしているのも困りますが、過度の大騒ぎにはうんざりしてしまいます。
テレビを見ているこちらが、しんどくなってくるのです。
どこか、無理をしている感じがあるのですね。
また、その無理は現代の日本人全体の傾向なのかも知れません。
社会からは、やたらコミュニケーション力が要求され、無口の性格の者でも相手と談笑できる能力が要求されます。
ですから、性格の暗い人間は駄目なのですね。
困難があってもへこたれないポジティブな人間性が要求されます。
根本的にそうでない人間は、こんな社会風潮に生き難さを感じます。
特に発達症(発達障害)のような方は、孤独を感じておられると思われます。
なんだか、罪悪感まで持ってしまいます。
さて、このポジティブに関わっているのが、脳神経細胞内の『セレトニン』という物質なのです。
セレトニンは幸福感をもたらす脳内物質で、これがたくさんあればポジティブな気分になれるのです。
これには面白い仕組みがあって、『セレトニン・トランスポーター(再取り込み)』というのが、使った後に余ったセレトニンを再利用するのです。
リサイクルです。
このトランスポーターが、人種によって数が全く違います。
西洋人はトランスポーターが多くて、日本人は極端に少ないのです。
その結果、西洋人はたとえ気分が落ち込んでも回復が早いのに、日本人がいつまでも気分が落ち込んでいる状態のようなことが起こります。
西洋人がポジティブで、日本人はネガティブなのです。
調査によると、西洋人の3分の1以上がトランスポーターの多いタイプで、日本人では多いタイプが3パーセント未満なのです。
また、日本人の7割が少ないタイプなのです。
ですから、世の中がグローバル社会とはいえ、いかに日本人が西洋人の真似を無理やりにしているか、痛々しい感じです。
日本人のように、トランスポーターが少ないと、直ぐにセレトニン不足を起こしてしまいます。
このところで、うつ病になる人が多いということが分かってきます。(西洋人はへこたれません)
さて、どうしたらよいのかということですが、私は日常で、「喜び過ぎない」「悲しみ過ぎない」ように心がけています。
あまり興奮しない生活を送るようにしています。
セレトニンをあまり使わないようにしているのです。
そうは言っても、仕事などでさまざまな突発的な問題が起こって、冷静にしておられないこともあります。
でも、日常でセレトニンを過剰に使っていない状態ならば、脳内に蓄積しているセレトニンによって問題解決できる余裕があるのです。
セレトニントランスポーターは、遺伝的なものですから増やすことができません。
しかし、セレトニンの調節は生活の心がけの中で可能なのです。
みなさんも、無理をしない生活を心がけてください