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患者と共に寄り添う~「ナチス国家」と「ドイツ医学界」の責任


お医者さんと言えば、昔から名士で、皆から尊敬される最高に優秀な人のことです。

 

子どもの時から頭がよくて勉強ができて、その上に育ちもよく気品がある人が多いようです。

 

さて、第二次大戦から70年が過ぎています。

 

つい最近の2年前に、ドイツの医学会が国民に対して正式に謝罪をしました。

 

今ごろになって、何を謝罪しているのかということですが、医者が当時のナチスに協力して、障害者や老人などを病院内にあるガス室に送って、患者を殺すことに協力していた件なのです。

 

俄かに信じがたいことですが、本当の話です。

 

優生保護法のことです。

 

当時は医者が、障害者・老人などの個人カルテに、「この人を殺してよろしい」という署名をして、殺してしまう許可をしているのです。

 

それにより、何万人もの障害者や老人、病人が殺されました。

 

ナチスは障害者や老人は生きていても何の役にも立たないことや、税金ばかりを使うよけいな存在であると考えていたわけです。

 

そして信じられないことですが、科学者としての医学界も協力して、大規模に抹殺をしたのです。

 

この最悪の流れに、医学界も含め、市民に大きな反対が起きなかったことで、次のユダヤ人の虐殺につながっていったのです。

 

アウシュビッツ収容所などのことです。

 

そこで浮いた税金を、一般市民に還元していたところがミソです。

 

最近になって、ドイツの医学界が、それを間違っていたと謝罪をしたのです。

 

あまりにも遅過ぎませんか、という話です。

 

ドイツ医学界は、長い間、自分たちが悪いことをやったという意識を持ってなかったかも知れません。

 

科学というのは恐ろしい側面があって、科学的に不要であると結論づけられたら、ほとんど罪悪感なしに、それを実行してしまうところがあります。

 

役に立つのか立たないかで、人間の値打ちが決まってしまうのです。

 

頭のよい人というのは、怖いですね。

 

人間が、物のようになってしまうところがあります。

 

 

 

さて、日本の現在の医療と医学界ですが、大丈夫でしょうか。

 

今回は具体的な問題を書きませんが、医者は患者の側に立った医療をしているでしょうか。

 

医者は、市民・国民のためになる志(こころざし)を、大事にしているでしょうか。

 

この医療の問題は、ドイツ医学界だけが反省するのでなく、世界の医療界の問題であるような気がします。

 

日本にも良心的な、志の高い医者もたくさんおられると思います。

 

その方たちが頑張って、本来的な医療の実現に向けて努力して頂けるように期待をしています。