象さんの鼻は長いですが、キリンさんの首も長いですね。
「どうしてキリンの首は長いのか」という話です。
これは進化論で説明されていますが、いったいどういうことなのでしょう。
たいていの人は、キリンが高い木の葉っぱを食べるために、自然に首が長くなったと理解していると思います。
それは、だいたい合っているのですが、短い首が急に長くなったりしません。
実は、首の短いキリンが食べ物をとるのに不利なので、死滅して自然淘汰されて子孫を残せず、長い首のキリンばかりが生き残ったということです。
それで、キリンの首は長いということになります。
長い年月の中で、少しでも長い首を持つキリンが生き残り、その次の世代でもより首の長いキリンが生き残って、どんどん首が長くなったと考えられます。
たいていの進化は、このような長い年月をかけた自然淘汰によって起きています。
実際は小さな変化だったのでしょうが、それが積み重なっていくと、大きな進化になるわけです。
さて、人間のことです。
同じ遺伝子を持つ兄弟なのに、顔が全然違うということがありますね。
これも進化の多様性の原理で、人間は同じ親から生まれてきても少しずつ違うのです。
顔だけでなく、兄弟で性格も違ったりしますね。
兄弟が全く同じ状態であると、何か流行りの困難があれば、みんなが滅びかねません。
それで、兄弟でも少し違うように生まれてくるのです。
これが多様性です。
人間に大事なのは、この多様性です。
それぞれ個々が違うことに、深い意味があるのです。
ですが、学校などでは均一性を要求されますね。ここが大問題です。
人間に多様な性質があるところで、困難を解決していく人が現れるわけです。
つまり、環境に適応的な多様性が、進化の基本ということなのです。
ですから、それぞれが違うということを大事にしたいですね。
さて余談ですが、西洋人は髪の毛が金色だったり、瞳がブルーやグリーンだったりしますね。
あれは環境への適応で、もともと黒かった瞳が、太陽の紫外線が弱い北部に移り住んだことで、瞳の色が変化したと考えられます。
日差しが弱いので、目を守るための瞳の黒色の必要なくなり、長い年月の中でだんだんと薄い色に変わっていったのでしょう。
髪の毛も、黒色の必要がなく、だんだん脱色して金髪になったと考えられます。
あまりにも長い年月の間に、その性質がDNAにも書き込まれて、それで人種というのもが生まれてきたように思います。