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地図がなければ迷子になる~発達障害支援の道案内


 

厳しい道のりの山道を歩くためには、地図がなければ迷子になってしまいます。

 

発達障害への支援も、それと同じだと考えています。

 

何に向かって、どこを通って行くのかを決めなければ、闇雲に進んでいくこととなります。

 

 

 

そこで私は発達障害の原因仮説を立て、そこで発達支援の案内地図のようなものを作ろうとしているのです。

 

 

 

さて、発達障害については、現在のところ、原因も治療法も分かっていません。

 

遺伝説、対人環境説、その他に水銀説や食物アレルギー説、妊婦のアルコール摂取説など様々な説があります。

 

しかし、決定的なものが見つかっていないのが現状です。

 

行政などが発行している発達障害理解についてのパンフレットなどを読むと、特性として、自閉症は「対人関係が苦手」とか「視覚的に見て分かるような支援が大事」などと書かれています。

 

ADHDでは「落ちつきがなくウロウロする」とか「なんでもすぐに忘れてしまう」のようなことが書かれています。

 

これらの文書を読むと、ますます発達障害について分からなくなってきます。

 

どうして読み手が混乱するのかというと、発達障害の方がする行動の現象ばかりが書いてあるからです。

 

対人関係の苦手さも、視覚的情報が分かりやすいのも、落ち着きがなくウロウロするのも、何でもすぐに忘れてしまうのも、発達障害でなくてもその特性があるからです。

 

普通の人でも持っているものであります。

 

みなさんも、そんなところがあるでしょう。

 

ですから、この特性でもって、発達障害とは断定できないのです。

 

そこで医師の診断では、社会不適応を起こしているかどうか、そこが重要なポイントになっているようです。

 

また、これも現象の出来事になります。

 

 

 

さて、本題です。

 

 

 

私の発達障害原因仮説は、当事者が生まれた時から視力がよく、細かな物が見え過ぎているところから始まると考えています。

 

細かいところがよく見えるので、小さなものばかりを注視してしまいます。

 

また、その状態で育つので大雑把な物の考え方が苦手で、物の全体を考えるような捉え方が難しくなるという仮説です。

 

これは、こだわりにも繋がっていくと考えられます。

 

 

生後まもなくから、このような状態にあるので、その後の脳機能の成長発達に大きな影響を与え、視覚認知に関わる脳機能ばかりが発達し、その為に他の脳機能の発達が遅れるという考え方です。

 

その仮説から考えられる支援は、全体を見る力をつけることであり、脳機能全体の成長発達の促進です。

 

 

 

さて、山道で地図がなければ、迷子になってしまいます。

 

発達支援も、そのゴールや道の行程を案内しなければ、家族や当事者はどうしたらよいのか分からなくなってしまいます。

 

 

 

私の仮説は、当事者の脳に異常があるのでなく、育つところでうまく獲得できていないものがあるというものです。

 

この考え方は、私の発達支援の根幹をなすものです。 

 

みなさんも、「物覚えが悪い」とか「場の空気が読めない」などの苦手があるでしょう。

 

それと同じで、この苦手が強いと発達障害になると考えています。

 

ですから、私の見解として、発達障害には大事に丁寧に育てていく考え方が重要だと思っているのです。