自閉症スペクトラムは、発達障害の特性のひとつです。
「こだわりが強い」とか「場の空気が読めない」とかの傾向がある方のことです。
社会には、みなさんが想像されている以上に自閉症スペクトラムの特性がある人がおられます。
精神疾患の症状がなく、普通に社会生活が送れている方がたくさんいるのです。
まわりの者からすれば、ちょっと迷惑な存在なのかも知れません。
自閉症スペクトラムの話は、私も他人事でありません。
よく聞く話で、「会社の上司が自分勝手で部下のことを考えていない」とか、「旦那が妻のことを考えず冷たい」というのがあります。
たぶん、これらの困った人は「非障害・自閉症スペクトラム」というものでしょう。
「こだわり」や「コミュニケーションの困難」などの特性を持っているとしても、ある程度の社会適応ができていれば、障害とは言えないのです。
仮に自閉症スペクトラムの特長があったとしても、精神科病院へ通っても薬で治るわけでありません。
自閉症スペクトラムを治す薬などはないのです。
ですから、問題解決は、まわりの者が非障害・自閉スペクトラムの人との付き合い方を変えていく方法が、一番に合理的で効果的です。
自閉症スペクトラムは、個々の特性に強弱があり、それが虹のように連続(スペクトラム)している状態にあります。
特性が強い人もいれば、緩やかな人もいるのです。
しかし、二次障害の「感覚過敏」や「強迫性症状」等がなければ、そんなに大した問題でないと考えます。
また当事者には、自分の特性についての自覚がないところに特徴があります。
ですから、まわりの者が本人に問題に気付かせようとしても、ほとんど無駄です。
困った上司や旦那の相手をされている方は、毎日がなかなかしんどいと思います。
でも、その人を変えようとしも、かなり難しいのです。
当事者はまったく悪気がなくてやっているので、失礼をどうか許してやってください。
ちょっと弁護しておきたいのですが、非障害・自閉症スペクトラムの多くは、まじめで努力家で正直な方です。
また、頭のよい優秀な人もたくさんいます。
冷たい感じのところもありますが、温かい感情がないわけでありません。
表現が下手なだけなのです。
不器用で融通が利かない人間だと理解してください。
他人を騙したり、インチキをしたりができない。
基本的にまじめな人間なのですよ。