ペルソナは、社会的な仮面のことを指していることが多いです。
ペルソナとは、仮面のことです。
ペルソナをつけていると、自分とは別人格の人間になることが可能です。
「男らしさ」「女らしさ」というペルソナがあります。
男らしさの裏には、正反対のめめしい自分があって、仮面で隠しているわけです。
女らしさも同じように男の傲慢さがあり、仮面で隠しているのです。
職業的なところでも、堅い仕事をしている方は、まじめなどのペルソナの仮面を被っています。
仮面の下に、どのような顔があるのか分からないのですが、表面的な顔を信じて安心しているのが私たちですね。
詐欺師などは、この仮面を巧妙に使って相手を信用させて騙して、金品を奪っていくわけです。
このペルソナは社会生活を送る上で、必要なものでもあるのです。
デパートの販売員は、楽しくなくても笑顔で接客します。
困り事の相談員などは、怖い人でも優しそうな顔をします。
学校の先生などは、頭が悪くても賢そうな顔をします。
そんな風に、自分の職業や役割に合わせて、このペルソナの仮面を被っているわけです。
お母さんでも、母親の顔の半面、女の顔というものもあります。
お父さんの場合でも、同じですね。
さて、昔から言われる「肉付きの面」というのは、役割的なことばかりやっているうちに、本当の素の自分を見失ってしまうことです。
仮面が顔から離れなくなってしまうのですね。
本当の自分が、分からなくなってしまうということです。
少し具体的に言うと、仕事人間などは「肉付きの面」状態でありませんか。
何事も一生懸命にやるのは大事ですが、本来の「素の自分」を見失わないように気を付けたいですね。
さて、発達障害や精神障害の方は、このペルソナのつけ方が、分からない状態でないかと考えています。
社会的なところで、今の自分はどんな仮面をつけたらよいのか分からず、ペルソナをつけずに心が傷ついているように感じます。
ある意味、ペルソナというのは嘘の自分、偽の自分とも言えます。
でも、人間はペルソナを上手に使うことで、自分や相手を尊重して、守っているところがあるのです。
さて、私は当事者のグループワークの活動を主宰しています。
グループワークでは、ペルソナをつけずに素の自分で他者と関わっていく作業をします。
つまり、建前でなく本音で話をしていくわけです。
もちろん、安全第一で、他者への批判や攻撃は禁止です。
ですから、自分の本音の部分を語っていくわけです。
私は、これを「素直な自分」と表現しています。
本音を語ることで、自分を整理する作業をするのです。
自分を見つけたり、自分を取り戻したりする作業です。
時間が必要かも知れませんが、上手にペルソナが使えるようになるまで、グループワークの活動で応援していきたいと思っています。