発達障害や精神障害ともに、正確な原因がまだ解明されていません。
原因が分からないところで、その治療法も確立されていないのです。
病院などで薬物療法がされますが、それは症状に対する対処療法的なもので、障害を根治するものでないのです。
そこで私は、発達障害や精神障害に関わるところで仮説を立て、仮説に基づくところで支援方法を実践し伝えています。
この仮説は、私自身の幼少時よりの個人的体験と、支援者としての支援実践での経験から分かったことを基にして、現在の認知心理学や脳神経科学の知見に照らし合わせたところで考えていったものです。
ですから、かなりマイナーなものになります。
さて、私の仮説の大きなポイントは、発達障害も精神障害も適切な支援があれば、当事者の成長発達により、困難の軽減や健康の回復というものです。
おそらく、多くの家族や当事者は、障害だから一生涯治らないと考えていると思われます。
また、病院などの医療機関でも、治らないと説明されることが多いようです。
私は仮説に対して、かなり信ぴょう性があると思っています。
ですが、医療機関でも説明される"治らない"という世間的常識の壁は厚く、仮説がちょっと変わった考え方であるという範囲を超すことができません。
要するに、"いい加減な話"という扱いです。
さて、本題です。
発達障害や精神障害が治らないというネガティブな考え方は、人間本来が持つ自然治癒力の効果を半減させてしまいます。
昔から言われていることですが、「病は気から」ということです。
近代医療でも、治療が本人の治癒力を頼りにして、薬剤などは支援治癒力の効果を補足するものと考えられています。
ですから、ネガティブな考え方というのは、当事者の足を引っ張るようなものなのです。
今回のテーマの「プラシーボ効果」というのは、簡単に言うと偽薬というものです。
違う言い方では、肯定的な暗示をするということですね。
プラシーボ効果については、世界的にもかなり研究がされていて、多くの効果が報告されています。
当事者に内緒で、薬剤の代わりに澱粉のような物を与えて、その効果を確かめるのです。
そしたら、効くはずのない偽薬が効いているわけです。
たぶん、これは脳の中で生命力を高める薬物が出ているのだと思われます。
発達障害や精神障害の困難は、軽減や健康回復が可能というのが私の説です。
これはプラシーボ効果を狙っているわけでありません。
本当に可能なことがあると経験的に知っています。
その仮説の上にプラシーボ効果があると、更に困難の克服の難易度が下がると考えています。
実際に私はたくさんの発達障害や精神障害の当事者・家族と関わっていますが、徐々に回復していくところで希望を感じておられる方がたくさんいます。
また、支援によって困難を軽減できない方の多くは、障害だから治らないという考え方を持っておられるように感じます。
回復することを前提にして、小さなことでも状態がよくなってきたところを見つけて、それを喜んで誉めてください。
当事者はやる気が出て、幸せな気分になります。
そのようなことで、今回はプラシーボ効果の話で、困難の軽減や健康回復があると信じることが大事だということを伝えたいと思いました。