いろいろな説があるのですが、ヒットラーが率いるナチスでは、軍隊や市民にも覚せい剤が服用されていた疑いがあります。
疑いというよりも資料が残っているのですから、間違いのない事実です。
日本でも太平洋戦争では、特攻隊員が「ヒロポン」という覚せい剤を使っていたのが知られています。
終戦後も、町の薬局であまった「ヒロポン」が店頭で売られていて、終戦間もない当時は誰でも買えたそうです。
また、ヒットラー自身も、覚せい剤やヘロインなどの麻薬を常用していたようです。
ナチスによる残虐な行為は、薬物によって起きていたのかも知れません。
さて、薬物の怖さは、その依存性にあります。
一度始めると、もう止めることが難しくなるところです。
止めたいと思っても、乖離症状・禁断症状で苦しくて堪らなくなり、簡単には止められないのです。
また、薬物は一時的にせよ幸福感が味わえます。
絶望的な外的環境状況であっても、心は幸せな気分になれるのです。
つらい気持ちが緩和されるのですね。
さて、発達障害や精神障害の治療に、覚せい剤や麻薬性の薬物が使われています。
みなさんが、そのことをご存じであればよいのです。
発達障害や精神障害は、薬物で治療することができないということもです。
時々、当事者が暴れたり暴力をふるったりして、家族が困っているという話を聞きます。
でも、長期間にわたって薬物を使っていると、異常行動が出ても不思議ではありません。
それは、発達障害や精神障害が原因でなく、多くが薬物による副作用と考えられます。
また、暴れなくても、廃人のように無気力状態となっている方もいます。
さて、私が伝えたいところは、子どもに薬物を使うのを控えて欲しいということです。
薬物は使いようによって、毒にも薬にもなるので、うまく使うとよい結果が出るのでしょう。
そのためには、親自身が副作用について承知と覚悟も必要だと思います。
それが難しい親は、なるべく子どもへの薬物の使用を控えて欲しいと願っています。