カウンセラーの前に座ると、「何だか自分が丸裸にされているように感じる」と言われる方がいます。
その方にすれば、「自分の心の中を見透かされている」と感じてしまうのでしょう。
ところがカウンセラーには、そんな特殊能力がないので、その方の心の中など分かるはずがありません。
ですから、まったくの勘違いです。
カウンセラーの仕事はひたすら話を聴いて、その人を理解していくことにあります。
カウンセラーは、心の鏡なのです。
相手の方が語る思いを、カウンセラーが鏡のようになって、映し返す作業をします。
そして、その方が自分の心の中を、カウンセラーを通して確認していくのです。
そこから、悩みをどう解決していけばよいのかを考えていきます。
さて、一般にカウンセリングは、心の問題を解決してくれる場所だと思われています。
しかし、そんな難しいことはカウンセラーにできません。
そうであれば、何をやっているのかということになります。
カウンセリングの極意テクニックの話です。
実は、その方が悩みを忘れるまで待つのです。
正確には、その方が悩みのことを気にならない状態になるまで待つのです。
そして、問題の解決に至ります。
カウンセリングは、問題を解決するのではなく、問題があっても普通の生活が送れるようにすることです。
ですから、問題があっても、それを棚上げにできるようにお手伝いするわけです。
このようなカウンセリングをするには、一般に時間がかかります。
1年2年、長期になると10年ぐらいかかっている方がいます。
毎回、予定終了時刻となったら、「それでは、また来週」と言って、次回の約束をします。
カウンセラーは、それを繰り返すわけですから、儲かりますね。
ただし、PTSDや発達障害が原因で不調な方は、問題を忘れることが難しいので、カウンセリングに不向きです。
たぶん、グループワークなどの体験学習的なもの方が有効なのでしょう。
カウンセラーのいいカモにならないように、用心してくださいね。