すべての方ではありませんが、発達障害や精神障害の当事者が苦しんでいる要因に、家族から責められていることがあります。
この息子(娘)のために、家族が苦しまなければならないと考えているようです。
実際、仕事をしないで家に閉じこもってばかりの子どもを見ていると、イライラするでしょう。
そんなことがあって、親子関係が悪い人が多いです。
これは親の側からの視点から見えている状況です。
でも私は、「当事者に責任がない」と思っています。
「生まれてこなければよかった。」と言う苦しんでいる当事者もいるのです。
悲しいことです。
これは、当事者の側からの視点になります。
親からの遺伝的なところを引き継いで生まれてきたばかりに、当事者は苦しまなければならないところがあります。
ですから親は、あまりきつく当事者を責めないで欲しいと思います。
当事者も苦しんでいるわけですからね。
もちろん、遺伝がすべての原因ではなく環境と相まって、発達障害や精神障害になると考えられます。
しかし、遺伝的なところが影響しているのも事実です。
親子で顔が似ているように、いろいろなものが親からの遺伝なのです。
この論法で当事者の側から言うと、悪い遺伝をさせた親が一番悪いということになります。
そんなことを言われると、親はドキッとしますね。
さて、家で暴れているような当事者は、遠回しに親の責任を問うていることがあります。
「生んだ責任」をです。
当事者は自分を不幸に生んだ親を責めているのです。
ところが、親はそのことに気付きません。
当事者がどうして暴れるのか、その理由が分からないのです。
親にしたら、一生懸命に育ててきたと思っているので、何が不満なのか理解できないのです。
当事者によっては、"毒親"と表現する方もいます。
親にすべての原因があると考えているのです。
さて、どちらが悪いと決められるものでありません。
私は、本当の問題が親子関係にあると考えています。
親子なのに、心が通じ合わないところで、お互いに深く苦しんでいるのだと思うのです。
そこで、当事者に考え方を変えろと言っても、それは難しいです。
ですから、親の方から考え方を変えて欲しいのです。
必要なのは、「当事者が悪いのではない。」という考え方です。
言っておきますが、「親が悪い」のでもありません。
ここは間違わないようにしてください。
犯人探しや原因探しをやっても、問題は解決しません。
親子の関係改善をして、協力して平穏な生活が送れるようになって欲しいと願っています。