· 

「メタ認知」について~自分を客観視する機能

私は当事者への支援方法として、「グループワークの活動」をやっています。
その目的はいろいろありますが、大きなものとして「メタ認知」の獲得があると思っています。
「メタ認知」とは、自分を客観的に観て考える機能のことです。
違う言葉では、自己抑制機能と言ってもよいかも知れません。
発達障害や精神障害の方は、自分を客観的に観察して、状況にふさわしい行動を判断するのが苦手です。
その場の感情や情動のようなものにとらわれて、気分だけで行動してしまうようなところがあります。
社会で、このような場当たり的なことをやっていれば、どのような結果になるかは明らかなのですが、この判断をするのが難しいのです。
その原因として考えられるのが、「メタ認知」」機能の不備です。
例えば、「ここは我慢しよう」とか、「いつまでも意地を張っていてはダメだ」とか、自分の内面に対して、言葉がけをするような機能のことです。
精神分析で有名なフロイドは、「メタ認知」のことを「スーパー・エゴ」と言っています。
たぶん、同じものを指しているのだと思います。
「エゴ(自我)」を制してコントロールするものが、「スーパー・エゴ(超自我)」ということです。
さて、本題です。
この「メタ認知」は、他者との関わりの中で育ってくるものなのです。
そこで私は、「グループワーク」の活動を通して、他者との関わりの中で「メタ認知」の獲得を目指しているわけです。
平たい言葉で言うと、「自分を客観的に観て状況にふさわしい判断をする力をつける」ということです。
ただ、グループワークの内容を説明する時に、「メタ認知」などと言っても理解が難しいです。
ですから、ほとんど説明はしていません。
家族の方にしても当事者にしても、グループワークは居場所作りや友達作りが目的だと思われていることでしょう。
でも本当の大きな目的は、社会適応を可能にする「メタ認知」の獲得にあるのです。
自分の感情や情動を客観視して、社会適応のために、行動を自己コントロールできるようになるのが目的なのです。
認知行動療法になるのでしょうのね。
私は、発達障害や精神障害の方への心理社会的支援方法として、「グループワーク」の実践でがんばっています。